【ユーフォ回】「はじまりの旋律」採譜とミックス

2月も後半!今日はユーフォ回です。
以前からTVアニメ「響け!ユーフォニアム」のオリジナルサウンドトラックアルバムの馥郁たる弦楽合奏のサウンドにとろけております。TVアニメでは考えられない、ぜいたくな生演奏収録。NHKを含む各局のBGMに使われているのもうなづける、素晴らしい小曲集なのです。「なんと美しい響き、、、いつか時間ができたら、一曲ずつ採譜してみたい、、、」そんな途方もない夢をいつしか抱いていました。採譜力の乏しい私にとっては膨大な時間を費やす話であり、到底実現できないことはわかっているのですが、しかし、せめて1曲。1曲ぐらい、まずはやってみないときっといつまでもゼロのまま。そう思い立って、サウンドトラック「おもいでミュージック」Disc 1収録曲の一つ「はじまりの旋律」を採譜し、ざっくりとミックスしてみました。
YouTube:
「はじまりの旋律」打ち込み (TVアニメ 響け!ユーフォニアム サウンドトラック収録曲)
ニコニコ動画:
http://www.nicovideo.jp/watch/sm32730283

原曲をCubaseでテンポ合わせし、耳にたよって全パートの音とりをした後、強弱の表現をつけ、曲としてのバランス変化をつけました。そして原曲の音色や響きをイメージしたミックスをしてみた結果です。すべてCubase AI4のエフェクトとHALionOneによる音です。
採譜誤り、音楽表現の甘さ、ミックスの拙さなどつっこみどころ満載w

と、ここまでが動画の説明文の内容。ここから、裏話です。

いや、採譜遅い、私。遅すぎです。所要時間をまとめておくと、原曲は180秒。1秒分とるのに、単音パートは10秒(グロッケン、Cb, Vc, Perc). Harpは2音前後で20秒. ピアノは4音前後で90秒,.First Violin, Second Violin, Viola はそれぞれ2 divし最大6音になるのですが、1秒分採るのに実に240秒もかかりました。
ほかに、テンポ設定に30分。強弱表現に2時間。音色・残響に1時間。定位・音量バランスに2.5時間、全体微調整に2時間です。 それも遅いですが、まあ採譜。
採譜能力の乏しい私。内声のsecond violinやViola は音としては耳に飛び込んできません。ここまで拾った音では中域がすっぽり抜けているぞ、という音域バランスの違和感を頼りに、ハーモニーからして有りうる音はこれかこれかだ、、、その一つ一つを、あるだろうか?と思ってその音高に注目して聞く。あるようだ。ないようだ。そうやって一つ一つ音を「掘り起こす」作業をしていきました。
他に2拍リピート法---聞こえなかった音が、音高変化を手掛かりに繰り返す2,3音のフレーズとして知覚される方法もフル活用でした。また、チェックには、左に原曲音、右に採譜音を定位させて再生し、採れている音は中央、採れてない音は左から聞こえるので気が付くという方法も使いました。逆に今回使わなかった方法もあります。採譜音を出さず原曲音で定位に頼って特定パートに注目して採る方法、原曲音に高域や低域のノイズを重ねてマスクする方法、タイムストレッチして観察の時間を稼ぐ方法、などです。
。。。まあしかし。本職のかたは厳しい訓練を積まれ、内声も音の流れとして分離して聞こえるので、各パートに注目して最初から最後まで一気に書き取ることができると聞きます。4声の和声聴音は三回聞いたらすべて書き取れるとも。そこまでは望むべくもありませんが、手練手管に頼らず、耳を鍛えるということを通じて、採譜能力をあげたいなぁと思った次第です。

それにしてもこの作業の、苦しくも楽しいこと!何度も聞いて把握していたはずのこの楽曲に、あらためて向き合い、その細部の美しい構成をつぶさに味わい、それをつたなくもなぞっていく。次々とあらわれる気づき。 ああ、時計の刻む音。学校のチャイムの音。木々のざわめきか、宇治川のせせらぎか。そしてあまりにも鮮やかなあのモチーフが、、、。物語のはじまりを、こんなにも鮮やかに意味をこめて描いていたのか。そんな気づきの喜びを味わえた、無上のひと時でした。

さて最後にそんな気づきの中で一番おおきかったもののお話をしようと思います。今まで意識していなかった、まことに個性的な音色でどこまでも饒舌なチェロ。そこではっとしました。中低音楽器ながら幅広い音域をもち、メロディもハーモニーもバスもとれるオールマイティーであるチェロ。それは吹奏楽におけるユーフォニアムに相当するのではないか。するとこの編曲はすでに、「サウンドトラックは吹奏楽と混じらないよう弦楽器で編成した」という公式の言葉の体現であるのにとどまらず、ドラマタイトルであり主人公の楽器であるユーフォニアムを、かげのようにチェロに写し取って表現しているのではないか。するとあの、弦楽合奏の中でただ1パート饒舌であるチェロは、孤高のあすか先輩を象徴しているのではないか。。。その瞬間、ああ、そうだよ、と思いました。そういえば、最新の劇場版「響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ」の劇伴音楽においては、あすか先輩がチェロ、久美子がピアノで表現されていると明言されていた。 なんと、最初のTVシリーズ1期の初曲にしてすでに、あすか先輩=ユーフォニアム=チェロという象徴が確定していたのか。なんという構成。 響け!ユーフォニアムは底なしに深い作品です。サウンドトラックもまたそうでした---気の遠くなるような深い意図が初曲から込められていました。ほかの曲もそうなのでしょう。 ただただ感服するほかありません。
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